神社とお寺は違う崇拝対象なのはご存知ですか?
以下の内容は、神社とお寺の違いをご紹介していきます。
まず宗教の違いを紹介すると、神社は「神道」の施設、お寺は「仏教」の施設です。
宗教に寛容な日本人からは同一視されやすい神社とお寺ですが、例えるならば「教会」が「キリスト教」の施設なのに対して「モスク」が「イスラム教」の施設であるというくらいの違いがあります。
それにも関わらず同一視されやすいのには理由があります。
神社とお寺は対立関係ではないことが挙げられます。
両者が明確な違いを発信していないので、日本人にとっては神社もお寺も「あいまいな認識」のなかで参拝されていることが多いのです。
もう少し具体的な違いを見ていきましょう。
・設備
神社には「鳥居」と「本殿」があります。
本殿には「御神体」が祀ってありますが、御神体は鏡だったり刀だったりと多種多様です。
お寺には「山門」「本堂」「仏像」があり、それに加え「釣り鐘」もあり、毎日朝晩鳴らしたり除夜の鐘の時に撞いたりします。
・勤めている人
神社には「神主」や「巫女」がいます。
普段は誰もいない神社も数多くあります。
一方お寺には「お坊さん」がいます。
・開祖など
神道は日本人の生活の中から自然発生しました。
このため、特定の開祖が存在しないことが特徴です。
戒律や教義や経典もなく、自然や祖先を神として敬います。
しかしお寺では、宗派によって開祖や教えが違います。
わかりやすいのは髪型かもしれません。
お坊さんと言えば丸坊主というイメージを持っている人が多いですが、実際には丸坊主を強制しない宗派も存在しています。
・白くて清潔な服を着る
神様にお参りをする以上、汚い服はNGです。
できれば白い服を身に着けることにより清潔感が高まり、神様から見られ方がも良くなるといわれています。
・鳥居の前でお辞儀をする
神社は神様がいらっしゃる空間です。
そこに立ち入らせていただくのですから、鳥居をくぐる前に立ち止まり、一礼をしてください。
この時、帽子などは取ってください。
また、できれば神社の中でも帽子は控えましょう。
・参道の左端を歩いて本殿へ
鳥居から本殿に行くための道が参道です。
この参道は神様の通り道でもあります。
道の真ん中は「神様の通り道」とされていますので、真ん中を歩いてしまっては、神様の通行を妨げてしまいます。
下手側である左側を歩いて、神様の邪魔にならないようにしましょう。
・御手洗で手を洗う
参道には手を洗うための御手洗(みたらい)や手水舎(ちょうずや、てみずしゃ)が設けられています。
神様にお参りする前にここで手を洗い、口をゆすぎます。
たまに、「手を洗ったばかりだから大丈夫」と言って、そのまま本殿へ向かう人がいます。
神社で手を洗うのは物理的な汚れを落とすのではなく、自分を清める意味があるため、必ず「神社で」手を洗ってください。
手を洗うときの作法は以下のようになります。
1.右手に柄杓を持って水をすくい、左手に水を掛ける。
2.左手に柄杓を持ち替えて、右手に水を掛ける。
3.再度右手に柄杓を持ち替え、左手をお椀の形にして柄杓から水を注いで左手に水を溜める。
4.左手の水で口をすすぎ、柄杓に残った水で左手を洗う。
5.柄杓の持ち手を洗って、元の場所に返す。
・賽銭箱の前で一礼し、お賽銭を入れる
お賽銭箱の前で一礼したら、お賽銭を入れます。
お金を投げ入れるのではなく、静かに落とす感じです。
・両手で3回鈴を鳴らす
お賽銭箱の近くまで進むと、鈴に繋がった紐である「鈴緒」が垂れています。
鈴緒を揺らして鈴を鳴らしましょう。
たまに勢いよく大きな音を鳴らしたがる人がいますが、大きな音を立てる必要はありません。
聖なる音で魔を祓い、神様のご加護を得るのが目的なので、大音量は必要ないのです。
鈴緒は丁寧に両手で持って、3回音が鳴るように振ってください。
この時、「はらいたまえ、清めたまえ」と心の中で念じると良いでしょう。
・二礼二拍手一礼する
いよいよお祈りです。以下の順番で行います。
1.深く2回お辞儀する。
2.2回拍手をする。
3.拍手をした手を離さずに、お祈りをする。
4.お祈りが終わったら手を離して、1回深くお辞儀をする。
ただし、神社などでは二拍手ではなく四拍手となります。
迷ったときは神社の方に伺ってみてください。
なお、手を叩く時は音を立ててください。
音を鳴らさない打ち方はお葬式のときの作法となります。
・参道の端を通って鳥居へ向かう
来たときとは逆の端を歩いて、鳥居へと帰ります。
・鳥居から出たら、本殿へお辞儀をする
最後のご挨拶として、鳥居を出てから一礼を行います。
・白くて清潔な服を着る
神社の場合と同じ理由で、このような服装がよしとされます。
・山門の前でお辞儀する
ここも神社の場合と同様です。
・山門をくぐる
普通にくぐれば良いのですが、注意点があります。
敷居を踏んではいけません。またぐようにしてください。
山門はお寺と外界との境界線です。踏んで汚してしまうことで外界との境界があやふやになり、お寺のエネルギーが損なわれてしまいます。
敷居を踏むと建物の傷みが早くなるという物理的な理由もあります。
・参道を歩いて本堂へ
神社の場合と違い、参道はどこを歩いても良いとされています。
仏教には「中道」という考え方があり、道の真ん中を歩いても問題ありません。
・御手洗で手を洗う
神社の場合と同様です。
・香炉があれば煙で身を清める
香炉があるお寺では、煙をまとって身を清めてください。
・お線香があれば、お線香を供える
お線香が用意されているお寺もあります。火に気をつけて、指定の場所にお供えしてください。
焼香の場合も同様です。
・賽銭箱の前で一礼し、お賽銭を入れる
神社の場合と同様です。
小さな鐘があるお寺もあるので、お賽銭を入れた後で1回鳴らしてください。
・合掌してお祈りする
音を立てて拍手はせず、静かに手を合わせてお祈りしてください。
お祈りが終わったら一礼し、神社の作法と同じようにして帰ります。
お寺の参拝の作法は各宗派やお寺によって違いが大きいので、お寺の関係者に質問するとわかりやすく答えていただけるでしょう。
上記の方法でも運気上昇が期待できますが、さらに運気を上げたい場合は以下の方法を試してください。
・朝または午前中に参拝する
朝は陽の気が満ちている時間帯です。清々しい気を浴びることでエネルギーをアップすることができます。
・参拝前の食事は控える
食事は穢れを増す効果があるという意見があります。
これに従って、参拝の予定がある日は朝から何も食べないのが理想的です。
食事をしたとしても、肉類は避けた方がいいでしょう。
動物性の食べ物を食べるなら肉より魚がオススメです。
逆に、参拝が終わったら軽く食事をすると良いでしょう。
参拝で得たエネルギーを体に循環させる効果があるとされています。
とはいえ、体調と相談して無理のない範囲で行ってください。
参拝のために断食をして身体を壊したり、水分を制限して脱水症状や熱中症になったりしたら何にもなりません。
神社やお寺の参拝マナーを紹介してきましたが、なによりも大切なのは心です。
神仏を敬う姿勢を忘れなければ、多少作法を違えてもご利益を賜る(たまわる)ことはできるでしょう。
お祈りは心の底から行うように意識することをオススメします!